「子育て情報ままちっち」にも連載いただいているSALAレディースクリニックの桝田院長先生。産後ケアにも力を入れられています。その桝田先生に、ママから届いた質問にお答えいただきました！

産後の生理が不安定です…

Q　産後の生理が再開して半年経ちますが、周期が安定しません。また生理痛や体調不良もあり、次の妊娠を考えているのでアドバイスをお願いいたします。

生理の再開時期

女性のカラダは、出産後しばらくは生理が止まるようになっています。母乳分泌を促進する「プロラクチン」というホルモンが出て排卵を抑制するためで、その間は排卵も生理も止まります。
生理が再開する時期には個人差があり、母乳育児かミルク育児かでも大きく違います。授乳期間が短い場合は生理が早く再開されますが、一般的には、出産から生理再開までは平均7か月というデータが多いようです。授乳をしていない女性では、出産後数ヵ月で生理が再開しますが、授乳を続けていると「プロラクチン」の影響で卵巣機能が抑制され、長い人では1年ぐらい無排卵になる人もいます。
そのほか、産後のストレスや体重減少などで、月経周期が乱れたり、長期の無月経になる方もいます。また、産後うつ病などの治療薬の影響で薬剤性無月経（薬剤性高プロラクチン血症）になるケースも珍しくありません。

産後の生理不順はよくあること

生理の再開はカラダを整え妊娠の準備ができたというサインです。しかし、生理が再開しても、翌月は予定通りに生理が来ず、思ってもみない時に生理がくるなど、まさかの生理不順を体験する方も多くみられます。経血量も多かったり少なかったりと安定せず、いつ生理がくるのか分からない状況に、ストレスを感じられます。完全母乳育児をしている方に限らず、産後の生理不順はよくあることだとお考えください。
原因も人それぞれで育児ストレスや疲労などが大きく影響しますから、母乳を完全に絶つまで様子をみていただいてかまいません。

ママのからだを大切に

生理が再開してもしばらくはホルモンバランスが安定しにくい状態のため、赤ちゃんのお世話で忙しい時期かもしれませんが、自分自身のからだの状態もよくチェックしてほしいと思います。
少しでも工夫できることでは、女性ホルモンを意識して大豆食品を積極的に食べたり、軽い運動をすること。生理はちょっとした悩みからも遅れやすいので、生理不順についてあまり考えすぎないように心がけることが良いと思います。
また、次の妊娠も考える時期になってきますが、定期的な排卵と生理が戻ってくるようになる時期もまさに人それぞれです。無月経が長く続くと、骨量が低下するなど将来の健康に影響を及ぼします。断乳後3か月経っても生理が再開しない場合や、産後2年以上無月経が続く場合は、産婦人科医に相談しましょう。