Column 気になる!子どもの習いごと

気になる!子どもの習いごと

習いごとの先生にインタビュー

習いごとに関する気になるあれこれを、水泳教室・英語教室の習いごとの先生に聞いてみました。

英語

聞いたのは…

teracoya english 西野宗子先生

児童英会話講師歴24年

関西外国語大学短期大学部 米英語科卒業

2年間の証券会社勤務を経て、イギリスへ1年間の語学留学へ。帰国後、婦人アパレル輸入の貿易会社に勤務する。このときイタリア、フランス、ドイツ、香港などにバイヤーとして年に何度と海外へ渡る海外業務に携わり、実践的に英語を学ぶ。その後、念願の児童英会話講師となる。

1999年~ 大手の児童英語教室にて勤務。リピート率が高く何度も表彰される。

2013年~ 自宅で英語教室 teracoya englishを開講。

2020年〜 学習教室 teracoya study roomを開講。

3児の母。

①ネイティヴの先生と日本人の先生、それぞれのよさを教えてください。

ネイティヴの先生のよさ

ネイティヴの自然な発音に触れることができます。先生を通して文化の違いを感じ取れ、異文化交流に自然と触れることができ、ネイティブの話す英語を英語のまま考えることが自然と身につきます。

日本人の先生のよさ

日本語で相談でき、日本人ならではの細かいサポートは、子どもたちにとっても保護者の方々にとっても安心感があります。 自分自身が英語を第二言語を学んだ経験と、また第二言語として英語の指導法を熟知しているので、適切なアドバイスができます。

②親が英語を話せなくても、大丈夫ですか?家庭学習に影響が出るのか気になります。

親が話せなくても大丈夫です。

親が英語を話せるかどうかよりも、英語は楽しいと思える環境作りや、英語学習をしているお子さまをたくさんほめて励ますこと、親子で一緒に学んでみることもよいかと思います。

③家庭学習でやらない方がいいことがあれば教えてください

英語が楽しいと体感することが大切なので、過度に期待したり、話すことを強要したり、間違いを指摘したり、お子さまの興味やペースや年齢に合わない学習はやらないでください。 間違いを恐れずに英語学習に取り組めるよう、たくさんほめてあげてください。

日本語から英語、英語から日本語で何て言うかを質問するのでなく、英語の音をそのままたくさん聞かせてあげてください。

④乳幼児向けのかけ流しDVDや英語の曲などでも耳は育ちますか?

乳幼児期は言葉や音を聞き分けれる能力がとても高い時期だと言われています。この時期に英語の音に触れることで、英語耳を育てることができると思われます。

英語の曲を繰り返し聞くことで、英語の音やリズムが自然と残り、英語への抵抗感がなくなります。特にお子さまの年齢と興味にあったDVDは音と映像が組み合わさることで、自然と意味を理解しやすくなります。

⑤乳幼児時期からレッスンに通うメリットはなんですか?

幼いころから遊びや歌を通して楽しく英語に触れることで、英語への抵抗感をなくし、自然と英語を受け入れられることが大きなメリットです。また④の回答の内容と同じく、英語や英語の曲を繰り返し聞くこと、英語の音にたくさん触れることで、英語を聞き取る力が育ちます。

また季節にあったレッスン内容に触れることで、欧米の文化も学ぶことができます。

⑥恥ずかしがらずに自分を表現しよう!などの欧米スピリットも教えてくれますか?

英語学習を通していつも先生から「これはどう思いますか?あなたならどうしたい? なぜそう思いますか?」などの質問があり、子どもたちは、はじめは恥ずかしながらも少しずつ自分の思いを伝え、またお友だちの意見にも耳をかたむける、そんな環境で学習しています。はずかしくて何も言えなくても、答えることを強要するのでなく、考えが思いついたら子ども自身が安心して話せる環境作りを大切にしています。  

英語を学習する上で、意見を聞かれたり、自分の思いを伝えたり、友達の意見にも耳を傾けること、違いを受け入れること、いろんな国があり、いろんな文化があること、多様性をお子さまたちは自然と受け入れ学ぶ環境にいます。

体操・水泳

聞いたのは…

スポーツクラブ&サウナ スパ ルネサンスあべの24 松浦雄一先生

パーソナルトレーナー

キッズスイミングコーチ

ベビースイミングコーチ

【体操】

①何歳から通えますか?逆に遅くとも何歳までに始めた方がよいということはありますか?

運動神経が急激に発達する時期が3歳~12歳と言われております。特に「プレゴールデンエイジ」とは言われる5歳~9歳は運動の習いごとをはじめる時期としておすすめです。

②運動神経は遺伝によるものというイメージがありますが、習いごとをすることで向上しますか?

運動神経と遺伝はあまり関係性がないものと考えております。幼少期に身体の使い方を習いごとで覚えることがとても大切です。一度身体が覚えれば、忘れることはありません。みなさんが久しぶりに自転車に乗っても問題ないのと一緒です。
運動神経がいい=身体の動かし方をたくさん覚えているということです!

③遊びで培える体の動かし方と、体操で培える体の動かし方の違いはありますか?

大きく違いはありませんがが、遊びの場合は身体の使い方が偏ってしまう可能性があります。たとえばボール遊びが好きなお子さま、おにごっこが好きなお子さまなど、お子さまによって好みの遊びがあります。そのため身体の使い方に偏りができます。その点体操やからだ遊びだと、さまざまな身体の使い方も学べます。体操で学んだ身体の使い方を遊びでたくさん使える環境を整えることが大切です。

④家庭でも柔軟や練習などは必要ですか?

とても大切です。運動神経を鍛えるのは何よりも反復練習です。おはしの練習と一緒です!おはしの場合は食事のたびに練習の機会があるため上達していきます。運動神経や柔軟性も一緒です。反復練習がとても大切なためご自宅でもやっていただきたいです!

【スイミング】

①水を怖がる子なのですが慣れますか?

少しずつ慣れていきます。お子さまにとって初めての場所で保護者の方から離れることになるため、不安がいっぱいで泣いてしまうことがあります。お子さまによってペースは異なりますが、習いはじめて1か月ごろにはプールを楽しんでくれます!

②水に慣れておくためには何歳くらいまでには始めたほうがいい、というボーダーラインはありますか?

特に水慣れにいつからという制限はありません。小学生のお子さまもひとりひとりのペースに合わせてご対応させていただきます!

③小さいうちに水泳をする身体的なメリットは何ですか?

水泳のメリットとしては【バランス感覚向上】と【空間認知能力の向上】が考えられます。

【バランス感覚】プールの中は浮力があるため、陸上にいるときよりバランスが不安定になります。不安定な中さまざまな運動を行うためバランス感覚が養われます。バランス感覚は「走る」「投げる」などにとても大切になります。

【空間認知能力】空間にある物の位置・形・大きさ・速さ・向きなどを、素早く正確にとらえる能力のことです。プールでは水に浮きながら動く必要があるため、自分の身体が今どうなっているのかという認知機能が高まります。そのため、水泳をすることで脳が刺激され、空間認知能力を高めることができるといわれております。

④3歳までのレッスンはどのようなことをしますか?

3歳までのクラスでは、水深を浅くしたプールに中でバランス感覚を養うために歩いたり、走ったり、ジャンプし日常の遊びでは体験できない刺激を身体と脳にインプットしていきます。
またアームヘルパーを着用しプールの中で浮くことも行います。ひとりで浮くことによって自分の身体がどうなっているのかを認識します。どうすれば前に進めるのか、どうすればその場で回れるのかなど、身体の動かし方とその動きをしたときに自分の身体がどうなるのか(前に進むのか、回るのか、潜るのかなど)を覚えることで空間認識能力が向上されていきます。

早くから習いごとをさせなくてよい派の体験談

習いごとの情報がたくさんある中、「早く習いごとをさせなければいけないの?」と焦っている保護者の方も多いことと思います。でも焦らなくても大丈夫。ここでは「乳幼児期に習いごとをさせなかった」・「習いごとをさせたけれど結果的に早くからしなくてもよかった」という方の体験談をご紹介します。それぞれの家庭・親子に合った選択ができますように。

ケース1:実のなる木さん

習いごとには親子共に興味がなかったし、子どもがやりたいと言ったときにやらせたいと思っていました。「子どもの仕事は遊ぶこと」と思っていて、歩けるようになってから午前中はほぼ毎日公園へ行き、晴れた日はお弁当を持っていったり、雨の日はレインコートと傘をさして水たまりの中をおさんぽしながら商店街や図書館へいったり。夏はプール、川、海にも5か月くらいから連れていったのでいつの間にか泳げるように。2歳半からは月に一度「里山あそび」に参加し、田植え〜脱穀、カヌー、おもちつきやみそづくりなどを中学生までの子どもたちと一緒に毎月体験しました。ぽっとん便所や山の中に作った水を流さないトイレの経験もそのころからしていたので、汚いトイレに行きたくないといって泣いたことは一度もないです。

4歳の時にはニュージーランドの高校生を受け入れて、ひとつ屋根の下で一緒に暮らしました。今までに4人受け入れたけど、英語も話せないのにいつも受け入れることを楽しんでいる様子。

そして現在は6年生になり、2年生からやりたい!と始めたバスケも本気で取り組んでいます。学校へいくまでのすきま時間には自主練習をし、休みの日でもみんなでバスケ三昧。親の出番が多く大変でもあるけれど、子どもと保護者とコーチと一体になってがんばれるのはまさに今しかないなと感じています。

小さい間だからこそ親子の時間はたっぷりあって、だからこそ一緒にいろんな体験をしたいと思っています。何にも縛られない時間は幼稚園へ行くまでの間だけで、生きる力やたくさんの人と関われる体験こそが、未来につながると信じています。

 

ケース2:青リンゴさん

わが家には3人子どもがいてそれぞれにいろんな習いごとを経験したからこそ、早くから習いごとを始める必要はなかったかなという結論になりました。

上の子だけでも今までに9つぐらいの習いごとをしていました。現在は小学生で今習いごとは主に3つしています。家でも習いごとの話をするぐらい今習っている習いごとはどれも本当に好きでやっています。

2歳のころ親子ベビースイミングがあり、土曜日夫と通ったのが最初の習いごとです。それ以降は「幼稚園後に習いごとできるってありがたい、周りがやっているから、小学生になる前にある程度先取りしないと」と始めたり、「兄弟同じ習いごとをしてもらったら親は助かる」という理由から始めたものはやはり続かず、宿題などの負担で親子でイライラする日々でした。

最初は楽しく始めたはずの習いごとも送り迎え、ご飯の支度、常に時間に追われている私をみていた夫にある時「お互いの負担になっていたりしていない?」と言われてハッとしました。先取りすることのメリットもあるけれど、誰のための習いごと?いつのまにか私のエゴになってしまっていました。

そういうところから家庭での習いごとについての考え方の違いも生まれるのかな、と感じます。

習いごとも長く通っていると物事を一つの捉え方でしか見えなくなってしまうことがあったりします。全然悪いことではないけれど、違う視点からの意見を聞いて取り入れてみるともっと子どもにも親にもいい方法が見つかることもあります。

ほんとうに好きを伸ばせる習いごと、親と子お互いが笑顔になれる習いごとをぜひ見つけてほしいと思います。