Column あい先生の おくち相談室 vol.2

あい先生の おくち相談室 vol.2

歯科医師として歯科診療に携わりながら、「未来の子どもたちの笑顔に貢献する」という思いで一般社団法人HEALTHY ORAL PROJECTを立ち上げ、活動している尾形愛先生。「お口からみる全身の成長」をテーマに講演や指導を続けられています。第2回は妊娠期から大切なことを教えていただきます。

プロフィール

大阪市住吉区出身。歯科医師として多数のクリニック勤務の後、一般社団法人HEALTHY ORAL PROJECTを設立し、セミナーや講演活動を行う。2026年2月に住吉区にて「SEED DENTAL CLINIC」を開業。

第2回「お腹の中から始まるお口の成長」〜妊娠期から新生児期に大切なこと

こんにちは。SEED DENTAL CLINIC 歯科医師の尾形 愛です。
突然ですが、みなさんは「赤ちゃんの歯医者さんデビュー」はいつ頃だと思いますか?
「歯が生えてからかな?」と思われる方が多いかもしれませんが、実は私は妊娠中から、つまり「マイナス1歳」から始めてほしいと考えています。

妊娠7週頃からはじまる歯の成長

赤ちゃんの歯のもとになる“歯の芽”は、妊娠7週頃というとても早い時期から作られ始めます。まだお腹も目立たない頃から、赤ちゃんのお口の成長はスタートしているのです。

この時期に大切なのが、ママの食事。カルシウムやたんぱく質、鉄分、葉酸、そしてビタミン類など、バランスよく栄養をとることが、丈夫な歯や顎、体づくりにつながります。「ママが食べたものが赤ちゃんの体になる」と意識することが、最初の一歩です。

ママのお口の健康が大切

また、妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく、歯周病になりやすい時期でもあります。実は重い歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高めることが分かっています。

さらに、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌はいません。身近な大人からうつるため、妊娠中からママだけでなく周りの大人のお口を清潔に保つことは、赤ちゃんへの大切なプレゼントになります。つわりがつらい時は無理せず、うがいだけでも大丈夫。そのほかママの日頃の姿勢が将来赤ちゃんの顎の成長に影響することもあります。安定期の間にぜひ歯科を受診して、お口と身体を整えてください。

はじめての筋トレ!?

赤ちゃんが生まれたら、今度は「お口の使い方」を育てていきます。赤ちゃんにとって哺乳は、実は人生最初の筋トレ。舌や顎をしっかり動かすことで、歯並びや呼吸の土台が作られます。これは哺乳瓶でも同じこと。哺乳瓶の選び方も歯科でお話できるので、気になる方はぜひ相談してください。

赤ちゃんにとって質の良い睡眠のために

また正しい姿勢でしっかり飲めると、自然とお口が閉じて鼻呼吸ができるようになります。鼻呼吸は、風邪予防やぐっすり眠るためにもとても大切。質の良い睡眠は、赤ちゃんの成長を大きく支えてくれます。「お口」は、食べる・呼吸する・話すという生きる力の入り口です。

授乳がうまくいかない、お口がいつも開いている、いびきをかくなど、気になることがあれば、ひとりで悩まず歯科医師に相談してください。