子どもに伝えたい「生理」や「性教育」のこと
大学で教鞭を執るかたわら、女性のマネジメントや育成に関する研修も多数実施している岩田千栄美さん。その知識や経験をどう子育てにも生かしているのか、岩田さんが日々考えていること、子どもに伝えていることを教えていただく企画です。
大阪市生まれ阿倍野区在住。大阪市立大学(現大阪公立大学)大学院 創造都市研究科 博士課程 満期退学。女性のマネジメントや育成に関する研修やセミナーの実績多数。桃山学院大学ビジネスデザイン学部(桃山学院中学高校となりに2020年9月開設)特任講師。中1と小4の2児の母。
皆さん、10月11日は何の日か知っていますか?日本ではあまり馴染みがありませんが、10月11日は「国際ガールズ・デー」です。女の子や若い女性が直面する課題の解決を訴えるキャンペーンの一環として、2011年に制定されました。
生理を伝える
例えば、女の子が直面する課題の1つに、「生理」があります。公の場で生理について話すことは避けられがちでしたが、最近は少しずつ議論されるようになってきました。皆さんのご家庭は、お子さんと「生理」について話していますか。お子さんが小さいご家庭は、何歳ぐらいになったら話そうとお考えでしょうか。
「生理」は学校や家庭、仕事など、色々な場面に影響します。まずは本人が自分の体と上手く付き合っていけるように正しい知識を持つことが大切ですので、娘さんがいるご家庭ではぜひ対話の機会を設けてはいかがでしょうか。ある本に「自分の体のことをよく知っている人は、人生を自信を持って生きている」と書いてありました。本当にその通りだと思います。自分の体を健康な状態で維持できるように努めることは基本ですが、そうは言っても、いつも元気でいられるわけでもありません。特に生理は、その前も最中も後も、身体が常に変化していきます。ヘルスリテラシー(健康や医療に関する正しい情報を入手して、理解・活用する能力)が幸せな人生の鍵となるでしょう。
性教育の最初は8歳までにと知って
我が家もそろそろ、息子たち(中1と小4)の成長に合わせて生理について話したいと考えています。まだ息子たちが小さかった頃、ある勉強会で「子供の性教育の最初は8歳までに」と教わりました。もちろん、難しいことを教えるのではなく、親子で性に関する会話を行えるような関係性づくりの第一歩という意味です。そこで、私も息子が2年生ぐらいのときに絵本(「からだのおはなし」*現在は発売終了)を使って話をしたことを覚えています。その後も子供が聞いてきたときには戸惑うことなく、毅然と答えることを意識してきました。
性を大切にできる大人に
性教育の最初のステップはそのような感じでしたが、息子たちがそろそろ大きくなってきたので、自分の体には起きない「生理」という仕組みや、それによってどんな症状や苦しみがあるかを教える必要があると考えています。生理がある人もない人も正しい知識を持ち、配慮し合う姿勢を学ぶことで、性を大切にすることにつながり、ひいては命を尊重する心を育んでくれることと思います。望まない妊娠やデートDVなど、10代~20代の間で起きているトラブルを防いでいくためにも重要だと思います。
学校ではあまり性教育が行われませんので、家庭での親子の会話を通して積み重ねていくことが大切になるでしょう。
国際ガールズデーにちなんだオススメの1冊
ベストセラーになった「こども六法」の女の子版。女の子であるが故に遭遇してしまうかもしれないトラブルに関する防止策や対処策などが書かれています。