授乳のときに大切にしたいこと、断乳や卒乳について産婦人科医・高畑先生に教えていただきました
Q:授乳のときに大切なことを教えていただけますか。断乳・卒乳についても先生の考えを教えていただければと思います。
母乳とミルクについて
それぞれ考え方があると思いますので、一つの意見としてとらえていただければと思います。
初乳を与えてあげることは赤ちゃんの免疫の観点からもとても重要なことだと思います。ただし母乳から赤ちゃんに感染するウイルスなどを持たれている場合、向精神病薬を内服が必要な場合は慎重に対応しなければなりませんので相談が必要と思われます。
母乳が出る、出ないも個人差があります。母乳はお金がかからず、愛着形成に寄与するとも言われていますので、母乳が良く出る方は完全母乳での管理でよいと思いますが、母乳が絶対的によいもので、ミルクはいけないといった考えを私自身は持っていません。ミルクにも優れた点が多く含まれています。母乳をがんばりすぎて、赤ちゃんの体重増加が緩慢な場合、脱水や黄疸の症状を悪化させるリスクもあります。それぞれの状況に合わせ対応していけばよいと思っています。
授乳のタイミングは子どもの様子を見ながら
授乳のタイミングも、いくら泣いていようが3時間きっちり空けないといけないという意見もありますが、私自身、育児真っ只中ですが、そのような対応は体力的にも精神的にもとてもじゃないですが無理です。
自分自身もまた、6時、正午、18時にきっちり決まった量だけ食事をして、それ以外は何も食べず生きていくことはできません。
ほしがり方、体重の増え方によって調整すればよいと思っていますし、少し大きくなり運動量が増えてくれば体重も落ち着いてくることが多いと思っています。
断乳の時期について
断乳に関しては1歳半で断乳をしている方が、お子様の虫歯のリスクが減るというデータもあり、そのころを目標に断乳を進めていくほうが良いと思いますが、次の妊娠を早めに考える場合には早めに断乳することで、排卵時期が早まり次の妊娠を早く目指せると思います。
冷やしたり、与える回数を減らすことで断乳していく方法もあれば、薬によって止める方法もあります。母乳が出続けて困っている場合は、相談していただければと思います。
回答者
高畑産婦人科
院長 高畑暁先生
開業68年となる高畑産婦人科院長。5歳・1歳の子育て中で、徹底して妊婦さんに寄り添ったていねいな診療に取り組んでいる。
東住吉区駒川1丁目7-3