大人から子どもまで楽しめる教育プロジェクトを子どもと一緒に体感取材してきた様子をお伝えします。
世界各地で好評の展覧会があべのハルカス美術館に
7月12日にあべのハルカス美術館で行われた『チームラボ 学ぶ!未来の遊園地』の内覧会を取材してきました。
『チームラボ 学ぶ!未来の遊園地』は、協働的で創造的な人間になることをテーマとした、大人から子どもまで楽しめる教育プロジェクト。これまでにも世界各地で開催され、累計600万人が入場している展覧会なんです。今回あべのハルカス美術館では、「グラフィティネイチャー‐山と谷」「巨大!つながるブロックのまち」をはじめ、実際に遊んで学べる計7つの作品が展示されています。
子どもたちがデジタルの中で自然を楽しめる展示!?
『チームラボ』では2001年よりデジタルアートの作品づくりを開始。今回の企画は、小さな子どもたちが、デジタルの中で自然を楽しむことができるものとなっています。開会式で『チームラボキッズ』の松本さんは、「今まで、他者のことをポジティブ(な存在)にできないかと考えていて、みんなで作る方が楽しく遊べるものを目指しました」とおっしゃっていました。1人よりも他の人がいた方が、たくさん花が咲くようになっている展示品もあり、今回のコンセプトでもある「他者との共同的で創造的な『共創』体験」を子どもたちにさせてあげられるようなものがたくさんありました。
子どもたちが夢中になる展示の数々
美術館に入ってまず現れるのは、「巨大!つながるブロックのまち」。壁や床に映像が映し出されたスペースに、柔らかいブロックでできた駅やヘリポートなどがあり、自由に動かすことができます。駅と駅をうまくつなげると、2つのブロックの間に線路が出現し電車が走り始めたり、家と家の間に道路が現れたり。今回3歳、4歳、6歳の子どもたちと一緒に参加しましたが、夢中になってブロックを動かしていました。
隣には「小人が住まうテーブル」「小人が住まう奏でる壁」の2作品の展示室が。どちらもかわいい小人たちの映像が現れ、子どもたちがキノコやフライパンなどのオブジェクトを置くと、それに合わせて小人がそこによじ登ってきて音が鳴ったり、目玉焼きが出来上がって弾けたりします。自分の行動に合わせて小人たちの動きが変わるので、子どもたちも飽きずに「こうやったらどうなるやろ~?」といろいろ試していました。
滑り台にもいろんな仕掛け
一番広い展示スペースにあるのが「すべって育てる!フルーツ畑」「グラフィティネイチャー‐山と谷」の2作品です。
「すべって育てる!フルーツ畑」は大きなすべり台。すべり台を滑ってボールの映像にぶつかると、ボールが飛んで行って植物が育っていくというものです。ボールにも水・ミツバチ・汚染されたゴミと3種類あり、生態系を考える目的もあるのだとか。色とりどりに弾けるボールと植物の光の中、子どもたちは何度も何度も滑って楽しんでいました。
子どもたちがいちばん楽しんでいた「すべって育てる!フルーツ畑」
「グラフィティネイチャー‐山と谷」は自分で動物の塗り絵に自由に色を塗り、それをスキャン。すると、起伏のあるスペースに自分が描いた動物が現れます。たくさんの子どもたちが描いた動物や植物で、展示スペースはカラフルな光にあふれていました。さらに、自分が立った場所に花が咲いたり、動物が自分の動きに合わせて動き始めたりと、子どもたちの動きに合わせ映像が動き出す仕掛けも満載。ひとりでやるよりみんながたくさん絵を描いた方がにぎやかな空間になり、「共創」というテーマを思い起こさせる展示作品でした。
最後の展示スペースは「まだかみさまがいたるところにいたころのものがたり」。始めは象形文字が流れ落ちてくる空間なのですが、象形文字に触るとそれが山や水や象などの生き物に変化し、新しい世界と物語が生まれます。子どもたちも「自分で物語を創り出す」ことを体で体験できた様子でした。
各展示スペースでは職員さんがすべり台の誘導や遊び方の説明をしてくれたり、子どもの作品を誉めてくれたりと、子どもたちがより楽しめるよう工夫されていました。色も照明もきれいで、子どもはもちろん大人でも楽しめる展示でした。なお、「グラフィティネイチャー‐山と谷」で描いた絵は、最後に500円でおしゃれな缶バッジにすることができますよ。どれも幼稚園児ぐらいのお子さんでも十分楽しめる展示なので、ぜひ夏休みには一度足を運んでみてくださいね。