妊娠中の食事について、気をつけた方がいいことを産婦人科医・高畑先生に教えていただきました
Q:妊娠中の食生活が子どもの発育にも影響すると聞きました。気をつけるべきことを教えてください。
葉酸の摂取について
葉酸は妊娠初期に脊髄や脳の神経系の奇形リスクを減らす目的で摂取が推奨されますが、妊娠前から妊娠12週まで400μg程度摂取することを当院ではお勧めしています。妊娠12週後も妊娠期全般で継続することは可能です。
サプリの場合は、つわりの予防効果が期待できるのでビタミンB6が含まれているものを選びましょう。
28週以降は特に鉄分・カルシウムを
妊娠後期には赤ちゃんが骨格や筋肉などを作りはじめ、体重が増加。母体の鉄分やカルシウムを自分の骨や血液に変えるため、28週以降は特に鉄分、カルシウムを積極的に摂取ください。母体側の骨粗鬆症や貧血の予防にもつながります。いろいろな情報がありますが、カルシウムは700mg、鉄分は16mg程度を目標に、が現実的ではないでしょうか。
また、動物性ビタミンAの摂取が過剰となると胎児奇形を引き起こすリスクがあります。レバーなどを多く摂取することは控えてください。
加熱処理されていない食材は注意
妊娠中は細菌に対し抵抗力が低くなっており、食中毒に罹患しやすく悪化しやすい傾向にあり、加熱処理されていないものも基本的に推奨しません。生肉などはトキソプラズマ感染症など直接赤ちゃんに影響する可能性があり、摂取しないようにしてください。
大きい魚は加熱の有無にかかわらず水銀含有量が多いとされ、敬遠されることもありますが、胎児への影響をそれほど考えなくてもよいかと思われます。
カロリーは、妊娠初期は+50kcal妊娠中期は+150kcal妊娠後期は+450kcal程度を目安に摂取するのが良いとされています。
カフェインはコーヒーでは1日2、3杯くらいまでは許容量とされています。制限しすぎても長い妊娠生活のストレスとなりますし、やめておかなければならないもの、摂取量を調整すべきものをそれぞれ理解し生活していただければと思います。