大学で教鞭を執るかたわら、女性のマネジメントや育成に関する研修も多数実施している岩田千栄美さん。その知識や経験をどう子育てにも生かしているのか、岩田さんが日々考えていること、子どもに伝えていることを教えていただく企画です。
大阪市生まれ阿倍野区在住。大阪市立大学(現大阪公立大学)大学院 創造都市研究科 博士課程 満期退学。女性のマネジメントや育成に関する研修やセミナーの実績多数。桃山学院大学ビジネスデザイン学部(桃山学院中学高校となりに2020年9月開設)特任講師。中2と小5の2児の母。
新年の目標は先回りをしないこと
新しい1年が始まりました!皆さん、新年の目標はありますか。
私はまず、自身については健康を第一に!食事や睡眠はもちろん、日々の小さな幸せを増やして心の栄養も大切にしたいと考えています。子育てについては、子どもの先回りをして手出し・口出ししないこと。我が家は今年、長男が受験生になりますが、進路のような大きな選択についても、日常の中の小さなことであっても、本人よりこちらが先回りして「ああだ、こうだ」と言わないように気をつけようと思っています。
大人が世話を焼き過ぎた結果
日頃、講師として接する大学生の様子を見ていて、周囲の大人が世話を焼き過ぎてしまうことによって(誰かが何とかしてくれる)(そのうち何とかなる)という意識が染み付いていることに、強い危機感を持っています。大学生本人たちも「与えられることに慣れ過ぎている」「自分でどうにかしないといけないという気持ちが弱い」と言います。社会人になるとそういうわけにもいかないので、頑張って意識を変えていく努力をしていますが、一度染み付いたものはそう簡単には変わりません。やはり、小さな頃からの積み重ねが大切だと思います。
子ども自身が選択をし経験を重ねることが大事
以前にも書きましたが、子ども本人が「選ぶ」「決める」という場面を意識して作る。そして、その選択や決定の“結果”を、子ども自身が受け止められるようにサポートする。
例えば、今のように寒い季節は子どもに風邪をひかせまいと、服装にあれこれ口出ししてしまいます(私も息子が小さいときはそうでしたし、今でも時々…笑)。しかし出来ることならば、どんな服を着るのかを子どもが決め、それでちょうど良かったのか寒かったのか(暑かったのか)を体験する。それで次はどうしようかを考える。その一連の流れを子ども自身にまず預けることが理想的です。(現実にはそんなこと言ってられない!という場面も多々ありますが笑)
厚着をしたら動きにくい、薄着をしたら風邪をひく、そうして色んな“結果”を経験して、自分で考える脳が育っていきます。既に色々な結果を経験した大人が先回りしてしまわないよう、一緒に心がけていきましょう。