授乳のときに大切にしたいこと、断乳や卒乳について産婦人科医・高畑先生に教えていただきました
Q:授乳を続けながら第二子の妊娠出産は可能でしょうか?諸説あるため先生のお考えを知りたいです。
授乳しながらの妊娠管理について
外来でもみなさんからよくいただく質問です。人口が爆発的に増えた時代、年子は当たり前に存在していました。授乳を続けながら妊娠管理をされていた方が多く存在し、それでも人口は増えていたということになります。ですので、可能だと思います。
おすすめできるかどうかというと、多面的に考え、各ご家庭で判断いただくことになる、というのが私の結論です。
妊娠継続の観点からいえば、断乳をすすめることになります。安定期に入る以前に子宮収縮を促す可能性があるため、流産リスクを助長する可能性があるからです。
お互いの様子を見ながら少しずつ切り替えを
しかし、現実はそんな単純ではなく授乳されている子どもにとっては精神慰安であり、取って代わるものがない場合も多いです。お母さんにとっては授乳が愛着形成を構築するツールの1つにもなっています。
また、夜泣きのときに、疲れ切って寝るまであやすわけにもいかない時も多いと思います。断乳することが何か大きな別れのような感覚になる人もいるかもしれません。
お子様からすると大人のように今日からやめようといって踏ん切りがつくわけもなく、突然もらえていたものがなくなれば大泣きするわけです。
ただ、これを機に離乳食を増やし、ミルクに切り替えるきっかけを作れば保育園に通う方であれば、保育園のハードルが下がることもあります。1歳半を超えているお子様であれば、虫歯合併の観点からも断乳を進めていくことがよいのかもしれません。
そのため徐々に卒乳に向かえたらというニュアンスで外来ではご説明させていただいています。
回答者
高畑産婦人科
院長 高畑暁先生
開業68年となる高畑産婦人科院長。6歳・2歳の子育て中で、徹底して妊婦さんに寄り添ったていねいな診療に取り組んでいる。
東住吉区駒川1丁目7-3