芸術書から絵本まで。種々雑多な本が集まる居心地のいい古書店
住宅街の中に突然現れる居留守文庫。近所の時代小説が好きな年配の方や、子連れの方、遠くからやってくる本好きの方まで幅広い来店があります。
天井までぎっしり詰まった古書の数々。今では10,000点を超えるほどに。取材時にはあの「暮しの手帖」を発見しましたよ~。
WCスペースも展示場所に。元々住宅だった物件ですが、雰囲気のある建物に運命を感じたそう。
住宅街に佇む古書店
住宅街の中に突然木箱がたくさん並ぶ外観が表れます。それが「居留守文庫」さん。店内にも床から天井まで本が並んでいますが、すべて小さな木箱に詰められています。実はこれ、演劇の舞台で段差をつけるために使われる『箱馬』を本棚にアレンジしたもの。元々劇団を主宰していたというオーナーの岸昆(きし こん)さんの手作りです。岸さんが演劇人だったことから、芸術系や美術系の書籍・雑誌も数多くあり、くらしやデザインに興味のある方も多いそうです。
絵本の魅力に気づく
居留守文庫をはじめるまで、絵本には関心がなかったという岸さん。「文庫に持ち込まれるいろんな絵本に出会い、大人でも楽しめるものだ、ということに気づきました。絵本とアートの境ってないというか、アートに近いものも多い」といいます。イベントなどで出張販売されることも多いそうですが(阿倍野区春の一大イベント「どっぷり昭和町」にも参加されています)、絵本はいつも人気が高いそうです。絵本には普遍的な作品が多いため、買い取り価格も比較的高く設定されているとか。絵本や子ども用の本のコーナーには、育児書や洋書の絵本なども。あのEric Carleさんの絵本など、ときどき掘り出しものに出会えるのも楽しいですね。
たくさんの人が関わって作る書店
委託販売もされている、というのが他の古書店と違うところで、本好きなコレクターの方や自費出版された本などを預かって販売もされているとか。「自分自身の蔵書約3,000冊からはじめたので、商品力がなくって。だったらいろんな人の力を借りよう、と委託販売を取り入れました。結果、自分だったらセレクトしないような本が集まってきて、幅がひろがりました」と岸さん。「本屋という空間も好きになってもらいたい。オープンから4年ですが、見たことのない本がまだまだたくさんあって奥が深い世界だなぁと実感しています。子どもたちには、本の楽しさを知っている大人になってほしいなぁと。本を読むというゆっくりとした時間をたくさん経験してほしいですね」と話してくれました。
住所 | 大阪市阿倍野区文の里3-4-29 |
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TEL | 06-6654-3932 |
営業時間 | 10:00〜19:00 |
定休日 | 火 |
その他 | |
メール | - |
HP/SNS | http://irusubunko.com/ |