Column 岩田さんが考えてること 〜『知る』が子どもの未来を守る〜 Vol.7

岩田さんが考えてること 〜『知る』が子どもの未来を守る〜 Vol.7

大学で教鞭を執るかたわら、女性のマネジメントや育成に関する研修も多数実施している岩田千栄美さん。その知識や経験をどう子育てにも生かしているのか、岩田さんが日々考えていること、子どもに伝えていることを教えていただく企画です。

岩田千栄美さん

大阪市生まれ阿倍野区在住。大阪市立大学(現大阪公立大学)大学院 創造都市研究科 博士課程 満期退学。女性のマネジメントや育成に関する研修やセミナーの実績多数。桃山学院大学ビジネスデザイン学部特任講師。中3と小6の2児の母。

 

 

どんどん新しくなる“若者コトバ”

早いものでもう4月になりました。お子さんの入学や進級などで新しい生活がスタートしたご家庭も多いのではないでしょうか。

私も勤務先(大学)で新しい学生を迎え入れましたが、若者と自分の年齢差が開いていくにつれて知らない“若者コトバ”が増えてきました。「ま」(=まじ)、「よっ友」(=あいさつをする程度の友達)、「マイメン」(=親しい人)、「ガクチカ」(=学生時代に頑張ったこと)など・・・今までに驚いた若者コトバを挙げるとキリがありませんが、こうした言葉ももう古いかもしれません。それぐらい速いスピードで若者の言葉が変わっていくのを感じます。

言葉を上手に扱える力こそが生きる力に

「ガチ」という言葉も最近よく使われますよね。我が子も頻繁に使いますが、私はそのときに「『ガチ』という言葉を使わずに、他の言葉でそれを表現してほしい」と促します。というのも、その時の状況や心境を的確に表現する力こそが考える力であり、それが困難を乗り越えていく力につながるからです。語彙力の大切さは昔から感じていましたが、少し前に「誰が国語力を殺すのか」という本を読んで、言葉を上手に扱える力こそが生きる力になることを改めて強く感じました。(ショッキングなタイトルですが、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。分厚いですが笑)

子どもが自分の言葉で話す機会を

今は、LINEをはじめとするSNSやゲームのチャット機能のように対面ではなく、相手が目の前に居ない状況で、短い文章でコミュニケーションを取ることが多くなりました。そうした環境の変化が、子ども達の語彙力に与えている影響はとても大きなものです。

もうSNSの無い世界に戻ることはできませんが、子ども達の言葉を引き出してあげることを少し意識すれば悪影響を和らげることはできます。学校での出来事や子どもの好きなことなどに親が関心を持ち、「何があった?」「どう感じた?」などと質問をしてあげて、子どもが自分の言葉で話す機会を増やしてみてはいかがでしょうか。保護者の皆さんも仕事に家事にお忙しい中で、そんな余裕を見出すのも難しいかもしれませんが、親子の会話のためなら、他のことを少し手抜きにしてみてもいいかもしれません。

オススメの1冊

「ルポ 誰が国語力を殺すのか」 石井光太著 2022年 文藝春秋